日々骨董品に触れ合っている余裕堂です。
お客様から買い取りさせていただきました骨董品は、当社は全く売り急いだりしません。
一点一点丁寧に査定し、掃除をして保存します。
しかし掃除と言っても床を磨くわけではないので、普通のものとはまた違った掃除の仕方をする必要があります。
特に漆塗りなど表層がデリケートなもの、書物などの破れては取り返しのつかないものに関しては非常に神経を使った掃除方法を取ります。
まず基本的に水拭きはしないのです。跡が残りやすいし、水を含んで縮んだり破れたりする可能性があるからです。
書物や絵などの水拭きはもってのほかで、特殊な毛先の柔らかいブラシ(熊野筆のような毛筆をイメージしていただければ良いです)でこすらず撫でるように埃や汚れを落とします。
また茶碗や花瓶、壺類に関しては薬品を使わずぬるま湯で優しく拭き取り、あとはウエスで水分を拭う感じでしょうか。
また石類はゴシゴシ洗うことができそうですが、これもまたデリケートでして、数十年ついたコケ類がある場合がありますので、それを落とすわけにはいかないのです。
その苔がまた価値を生むことがあるからです。
土だけまた柔らかいブラシで落とします。
こうした骨董品ならではの掃除方法があるんですね。
この道をまた極めて行きたいものです。