着物

 

着物は日本が世界に誇れる美しい和装の文化です。着物の歴史で大きく変化があったのは元禄期に、元禄文様（げんろくもんよう）と呼ばれる明るい色調と金糸が多く用いられた華やかな小袖などが職人によって作られるようになり、この時代には今の着物とほとんど変らない形の小袖が誕生し、小袖が完成した時代となりました。
そして江戸時代後期には、帯締め、帯揚げを用いた「お太鼓結び」をするようになりました。この頃から帯留めは象牙や赤珊瑚などで細かで美しい彫刻が施されるようになりました。その後明治時代で西洋文化が多く入ってきたものの、現代に至るまで着物としての形はこの元禄期から今でも受け継がれ親しまれています。今でも日本各地で有名な着物の産地があり、大島紬が一般的に多くの人に知られております。
その他、結城紬、越後上布、本場久米島紬、伊那紬、出雲絣、友禅、絞り、かすり、読谷山花織、西陣織、首里織、天蚕紬、江戸小紋など様々な着物があります。またそれらの産地に有名な着物作家も多くおり、代表的な久保田一竹、羽田登喜男、木村雨山、志村ふくみ、小宮康孝がいます。
着物は本来の日本の女性の美しさをよりいっそう際立たせると言われており、昔からお華、書道、茶道、三味線、お琴など日本のお習い事やお稽古には必ず着られていました。現代ではイベント事に着られるイメージの強い着物ですが、その美しさは日常でも十分違和感なく溶け込む物だと思います。